上写真:「障害・すべての人のためのインクルーシブ防災 国際フォーラム2018」の会場風景(パネルディスカッション)(Photo courtesy: K. Kataoka)

《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》

「障害・すべての人のためのインクルーシブ防災 国際フォーラム2018」(主催=国連ESCAP)が去る10月30日、淡路夢舞台国際会議場アンフィシアター(兵庫県淡路市)で開催され、アジア防災会議参加者、学生、一般などを含む約70人が参加した。
国連アジア太平洋経済社会委員会(UN ESCAP)が、災害時における要配慮者対策を世界に広く普及すべく、ウェブ上で閲覧・研鑽(けんさん)が可能な『e-ラーニング教材』を開発した。アジア太平洋地域で災害対応に携わる人びとに同教材を普及させるため、アジアの防災責任者が一堂に会する「アジア防災会議」の関連事業としてフォーラムは開催された。

■e-ラーニング教材、取組みの報告

鈴木弘二・アジア防災センター所長、岩崎哲也・外務省国際協力局地球規模課題総括課課長補佐の挨拶、小山達也・兵庫県産業労働部能力開発課副課長の司会でフォーラムは始まった。
秋山愛子・UN ESCAPプロジェクト・マネージャーが「e-ラーニング教材について」、佐谷説子・内閣府参事官普及啓発・連携担当が「要配慮者対策に関する国の取り組み」、渥美公秀・大阪大学大学院教授が「要配慮者対策に関する取組の変遷」、バルタザール・S・トリブナロ・Jr・セブ市防災局部長が「フィリピン・セブ市の取組み」、アーリンダ・T・パラメ・代替開発研究グループPMが「NGOの取組み」について報告。

秋山氏は「防災行政や地域自主防災組織の研修を実施して、日本国内にインクルーシブ防災を広めることが重要」と述べた。
渥美氏は、萩野茂樹・津市ボランティア協議会副会長が作成した「津波リスクの高い三重県志摩市の津波ハザードマップを、視覚障がい者にも分かりやすいように工夫した『さわるハザードマップ』」を紹介した。

■パネルディスカッション「DIDRR e-ラーニング教材に期待すること」

パネルディスカッション「DIDRR e-ラーニング教材に期待すること」は、ファシリテーターに布村明彦・中央大学研究開発機構教授、パネリストに、前出の秋山氏、渥美氏、佐谷氏、バルタザール氏、アーリンダ氏、に加え、太田千恵子・滋賀県脊髄損傷者協会理事、片岡幸壱・防災士(本紙・防災情報新聞特約リポーター)、中野善文・神戸市保健福祉局生活福祉部くらし支援課課長が登壇した。
本紙・片岡は「阪神・淡路大震災の体験、防災情報新聞」について語った。パネリストからは「e-ラーニング教材は大変有益。使用することで多くのことが学べ、災害時に役立つ」など、今後に対する期待が述べられた。

■e-ラーニング教材の重要性

多くの人が使用して学び・知ることで、災害経験の風化防止・事前準備・障がい理解・情報発信など、幅広く防災意識を高めることにつながることを確認できた国際フォーラムだった。
フォーラム終了後、参加者に『e-ラーニング教材』のデータが入ったUSBが配布された。今後、改善点などを意見交換することでより良い教材となるだろう。

▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障害を持つ防災士としても活躍中。

参考リンク:
>>淡路夢舞台国際会議場
>>アジア防災センター
>>兵庫県産業労働部能力開発課
>>UN ESCAP
>>中央大学研究開発機構
>>神戸市保健福祉局生活福祉部くらし支援課